水無月を買いに桂まで。

今日は6月29日、明日は30日。当たり前の事ですが、京都においては明日の30日が重要です。明日は『夏越の祓(なごしのはらえ)』です。一足早く行われる『北野天満宮』でのお話も以前に書きましたが、あちこちの神社で『夏越の祓』にまつわる神事や茅の輪くぐりがなされるのもこの日です。そんな事は重々承知の上で、あえてフライングしてしまいました。でも良いのです!神社によっては、前後数日間やっている様な所もありますので…。今日は、旦那さんが桂に用事があり「一緒に行く?」と誘われました。ですが、私にとって桂はあまり縁の無い場所です。何があるのか詳しい事は分かりません。『桂離宮』や『桂川』が近くにある位のイメージです。そこで、手元にあるガイドブックや雑誌で調べてみるも「是非とも行きたい!」となる場所は見つかりませんでした。そんな中、1件だけ私が勝手に記憶している〝近くに行ったらいつか行こうリスト〟にあるお店を思い出しました。と言う事で、親子3人揃って桂へ向かいました。しかし、出発するのが遅くなってしまったので、案外3人揃っての自由な時間がありません。桂に着いてからは行ってみたかったお店に直行です。

 

↓ そのお店は『桂離宮』の目の前、桂川のすぐそばにあります。

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↓ 桂川の眺め。

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↓ そしてお店は…『御菓子司 中村軒』です。明治16年の創業、西暦に直すと1883年なので130年以上になるお店です。

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さて、このブログをいつも見て下さっている方にはお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、先日取りあげていた『どらやき 亥ノメ(いのめ)』の店主さんが修行をなされていた…と書いていたお店です。ここは、長い歴史の通り、和風の伝統的な御菓子も多いのですが、かき氷やジェラート等、新しい和菓子以外のお菓子も人気のお店です。特に、京野菜の『桂うり』を用いた氷やジェラート、時期によって変わるかき氷が有名な印象です。私がいつか食べてみたいと思っているのは、8月頃に販売される〝すだち氷〟です。

 

↓ 店先にあるメニュー。季節のかき氷はマンゴーでした。少し前迄は苺もあった様ですが、季節と共に変わった様です。

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本当は、お店でゆっくり頂いて行きたかったのですが、とにかく時間がない上にお店は混雑。仕方が無いので持ち帰りだけにしました。

 

↓ 旦那さんと一緒に悩んだ結果…『夏越の祓』に欠かせない〝水無月〟は忘れずに購入。続いて、こし餡の葛餅を桜の葉で包んだくず桜、黒糖と抹茶が楽しめる三色団子、麦代餅(むぎてもち)のミニサイズを選びました。麦代餅は田植え時期の農家さんのおやつとされており、農作業をされている所に運んでいたそうです。そして、農作業の繁忙期が過ぎる半夏生の頃にお代として麦を頂いていた事から名付けられたそうです。

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↓ 包んで頂く間はお店の中で待ちました。昔からあるお店の雰囲気です。

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無事に購入後、時間を確認すると予想以上に時間がおしていました…。旦那さんは用事がある場所に向かわなければなりません。私とベビーちゃんをその場に置いたままにして用事に向かって貰っても良かったのですが、結局これと言って行きたい場所も思いつかないままだったので、一緒に戻る事にしました。お天気が良ければ『松尾大社(まつのおたいしゃ)』や『鈴虫寺』、嵐山周辺へと足を延ばしても良かったのですが、いつ雨が降ってもおかしくないお天気だったので、ここで終了です。タイトルの通り、正しく〝水無月〟を買いに桂に行きました…。買って帰るだけだったら、百貨店でも買えたのですが、本店のお店で買うと言うのと旦那さんも一緒に行けた事が良かったので問題無しです。しかも、ベビーちゃんは家を出てすぐに爆睡、帰りの桂駅で目を覚ましました…。

 

↓ 購入して来た〝水無月〟です。色々な種類を買ったので、箱が少し大きめです。

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三角形のういろに小豆等の甘い豆が乗ったお菓子が〝水無月〟ですが、この形にも色にも全て意味があります。話は平安時代室町時代に遡ります。この頃、旧暦6月1日に『氷の節句』と言って氷室から氷を切り出して口にする暑気払いの風習がありました。しかし、今でもそうですが、氷室の氷なんてとても貴重な物です。特に冷蔵庫の無かった時代には今とは比べ物にならない位だった事が容易に想像出来ます。また、現在でも当時の氷室の場所が残っており、京都市北区に氷室地区として地名があります。この貴重な氷を模して作ったのが〝水無月〟のういろ部分。そして、小豆をのせているのは赤い小豆には厄除けの力があると信じられていたからです。更に三角形の形は1年の前半部分を表しており、1年の半分=四角形を半分に切った三角形になったのだと言われています。それにしても〝水無月〟を買いに桂と言うのは少々遠かったです。帰りに、四条にある大丸の食料品売り場に寄ると、ここでも〝水無月〟を求めて各和菓子屋さんに列を作るお客さんの姿がありました。人気店は、特設の〝水無月〟販売エリア迄作っていました。

 

旦那さんも〝水無月〟を頬張った後に「これで夏越の祓、完了!」と満足そうです。

では、今日はここ迄。