七草・お好きなふくは。

七草には、〝春の七草〟だけではなく、〝秋の七草〟と言うものが存在します。そしてタイトルにある「お好きなふく(服)は」は、7種類それぞれの頭文字をとって覚えやすくした語呂合わせです。

 

「お」…おみなえし・女郎花

「す」…すすき・薄(おばな・尾花とも言うそうです)

「き」…ききょう・桔梗

「な」…なでしこ・撫子

「ふ」…ふじばかま・藤袴

「く」…くず・葛

「は」…はぎ・萩

 

他にも、「おはぎ好きなクズとバカ(ふじばかまのバカ)」や〝ろ〟を足して「ハスキーなお袋」と言った物がある様ですが、「お好きな服は」を私に教えて下さったのは、以前習っていたお茶の先生。やはり素敵です!「…クズとバカ」ではありませんでした。そして、秋を迎えた今、山や公園で〝秋の七草〟の1つ、『はぎ』を多く見掛けます。残念な事ですが『ふじばかま』をはじめ、七草の多くは絶滅が心配される植物となってしまいました。

 

↓ 昨日『瓜生山(うりゅうやま)』で見つけた『はぎ』の花。

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これらの〝秋の七草〟を始めて歌に詠んだのは、山上憶良だそうですが、「秋の~」と一言で言っても、お花の時期はバラバラです。『くず』は、7~9月頃、『おみなえし』や『ききょう』は、それぞれ10月頃迄です。そして、その事を踏まえてかどうかは定かではありませんが、昭和10年(1935年)には、与謝野晶子の呼び掛けにより、〝新秋の七草〟が制定されました。以下は選ばれた植物と選出者です。

 

おしろいばな・白粉花与謝野晶子

しゅうかいどう・秋海棠…永井荷風

いぬたで・犬蓼…高浜虚子

きく・菊…牧野富太郎

はげいとう・葉鶏頭(がんらいこう・鴈来紅)…長谷川時雨

ひがんばな・彼岸花(まんじゅしゃげ・曼珠沙華)…斎藤茂吉

コスモス・秋桜菊池寛

 

そして、面白い事に、何故か選出者の多くが歌人や小説家であるにも関わらず『きく』を選んだ牧野富太郎だけは「日本の植物学者の父」と言われ、植物を専門とした学者さんなのです。当時、何らかの交流があった事が推測されます。

あちこちに生えている植物、その植物の名前や背景を調べてみると、予想以上に面白い事が分かります。これからも、色々な植物や生き物に関心を持って過ごしていきたいです。

 

では、また。